紅熊の日記

マイコン制御の実験など

【Nゲージのコントローラ】2重PWM方式の検討

昔の鉄道模型用のパワーパックでPWM方式で20kHzと低周波数の組合せた二重変調というのがありました。今でもアマゾンなどで入手可能ですが、電源とセットでは売っていないようです。

今回はマイコンを使って低周波数と可聴周波数以上の組合せで昔のパワーパック波形を再現させようとしています。

まずは、PWMのデューティーを最小にします。ソフトでは1μsec以下でも設定可能ですがオシロで観測できなくなるので、波形は周波数が18.75kHzに対してデューティーは3.2μsec(約6%)で設定しています。鉄芯入りでは問題ないはずですが、たぶんコアレスだとLED点灯と同時に動き出してしまいます。

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コアレスなどでLED点灯と同時に動き出してしまう場合は、低周波数側でも制限します。オシロ波形は極端に設定したものを表示していますが、周波数は55Hzで約20%です。全体では1.2%です。当時マイコンも使わずに最小デューティーも小さくできない時代に、これを製品開発されたメーカーさんは流石です。

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従来のPWM方式ではデューティーを広げるだけのため、LED常点灯と低速コントロール域での両立はつまみに神経を集中させないとならないのですが、2重PWMではLEDは暗いですが確実に停止、低速からスムーズです。

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牽引重視の機関車のように重たい車両はノイズ音が小さいので気になりませんが、電車のM車ではモーターから低周波数側のノイズ音がカラカラ唸って耳障りです。2重変調なしでは低速時はモーター出力が落ちてしまうので、50%のデューティーで2重変調させるとモーター出力が落ちない状態で低周波ノイズが聞こえなくなります。

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最後に、トランジスタMOSFETを一段でドライブしている自作回路が多く公開されていますが、それぞれ素子固有の理由でトランジスタや高速動作が売りのMOSFETでもモーター側のPWM幅を狭く出来ない制約があり、コアレスモーターのコントロールでは苦労されているようです。理由は自作派されている諸先輩のホームページや半導体メーカーのホームページをググってください。電気工作苦手な方は2Aくらいのモータードライバー搭載基板が売っていますのでそちらを使うという方法もあります。